大分県別府市医師会 浜脇記念病院 田代幹雄


   平成10年度要介護認定審査モデル事業で、40例の審査に3時間を要し

  た。多忙な医師にとって介護認定審査委員を兼務することはかなりの負担に

  なり、本来の仕事に支障が出るのではないかと危惧された。そこで、公平な

  審査を堅持しながら、介護認定審査会委員の負担を軽減させ、かつ広域圏事

  務局をも納得させる方法を検討してきた。その1つの方法(重回帰分析によ

  る「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)」と「痴呆性老人の日常生活

自立度(痴呆度)」から推定される要介護度)を平成11年2月24日、日本医師会で開催された「第4回都道

府県医師会介護保険理事連絡協議会」で提案し、「介護認定審査会効率化の検討資料」として青柳俊日医常任理

事に提出した。その結果、別府市医師会の方式が日医で採用され、日医方式として日本醫亊新報の平成11年9

月11日号に掲載された。その方法にさらなる工夫(まとめの用紙の配布および予習を重視した審査方法)を加

え、平成11年10月8日、別府市医師会館で別杵速見広域圏(2市2町)の大部分の介護認定審査会委員(1

60数名)、別杵速見広域圏事務局の出席のもと説明会を開き、平成11年10月19日より始まった準備要介

護認定審査で活用を開始した。その結果、平成12年3月までの一審査会(約40例)の平均所要時間は当初予

想していた2時間よりもはるかに短い1時間14分であった。しかし、平成11年度の一次判定ソフトには、平

成10年度要介護認定審査モデル事業と異なり、中間評価項目が追加されたこと、要介護度の基準時間が変更さ

れたこと(35分間隔が20分に短縮)、要支援の条件が変更されたことなどにより、方式(「寝たきり度」と

「痴呆度」から推定される要介護度)の修正が必要になった。そこで、平成11年10月から平成12年3月ま

での別杵速見広域圏の要介護認定審査の全データの集計・分析を行い、「寝たきり度」と「痴呆度」から推定さ

れる要介護度を修正するとともに、新たに加わった「中間評価項目得点」に着目し、参考資料として「中間評価

全項目平均点」から推定される要介護度を加えた。修正した方式を「別府方式」と命名し、今までの方式に変え

て、平成12年10月より使用を開始した。さらに、認定審査の標準化、効率化のために、「第5群(身の回り

)の得点」からの推定要介護度を加えるとともに、広域圏事務局に作成

していただく資料の変更も行い、平成13年6月21日より活用してい

る。

 今回、この最新の「別府方式」のマニュアルを作成したので、現在ボ

ランティアとして活動していただいている認定審査会委員および新規の

認定審査会委員の皆様に活用していただきたいと考えている。


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