河野小児科医院



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予防接種


B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎となりそのまま回復する場合もあれば、慢性肝炎となることもあります。一部、劇症肝炎といって激しい症状が出たり、死に至ることもあります。また、症状が現れないままウイルスが肝臓の中に潜み、年月を経て慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどになることがあります。
年齢が小さいほど、急性肝炎の症状が軽いかほとんど出ない一方、ウイルスがそのまま潜んでいる状態が続きやすいことが知られています。
感染は、肝炎ウイルス(HBs抗原)陽性の母親から生まれた新生児、肝炎ウイルス陽性の血液や唾液・汗・涙などの体液に直接触れたような場合に生じます。

対象者・・・生後12ヵ月に至るまで 

標準的な接種期間・・・生後2ヵ月から9ヵ月に至るまで

接種回数  27日以上の間隔をおいて2回
      1回目の接種から20週から24週の間隔をおいて1回
      計3回の接種

副反応・・・倦怠感や局所の痛み、発熱、極めてまれにアナフィラキシー、急性散在性脳脊髄液




Hib(インフルエンザ菌b型)ワクチン

へモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)は乳児や幼児の敗血症や髄膜炎、急性咽頭蓋炎などの侵襲性感染症の起因菌となることが多いことが知られています。またHibはヒトーヒト感染をする細菌であり、感染経路は保菌者からの気道分泌物の吸引による飛沫感染または直接感染による感染です。国内において細菌性髄膜炎で起因菌は、頻度の差はあれほとんどの年齢でHibが第一位を占めています。Hibによる細菌性髄膜炎(Hib髄膜炎)は、5歳未満の乳幼児がかかりやすく、特に生後3ヵ月から2歳になるまではかかりやすいので注意が必要です。細菌性髄膜炎の初期症状は、発熱や嘔吐不機嫌、けいれんなどで、風邪などの他の病気の症状と似ているため、早期に診断することはとても難しい病気です。
他の多くの細菌やウイルスとは異なり、Hibは乳幼児に感染しても抗体(免疫)ができず、繰り返し感染することがあります。Hib髄膜炎にかかると1ヶ月程度の入院と抗生物質による治療が必要となりますが、治療を受けても約5%(年間約30人)の乳幼児が死亡し、約25%(年間約150人)に発育障害(知能障害など)や聴力障害やてんかんなどの後遺症が残ります。その他にも肺炎、喉頭蓋炎、敗血症などの重篤な全身感染症を引き起こします。

対象者・・・生後2ヵ月から60ヵ月に至るまでの間にある者(60ヵ月になる日の前日まで) 

標準的な接種期間・・・初回接種開始は生後2ヵ月から7ヵ月に至るまで
           追加接種は初回接種終了後7ヵ月から13ヵ月までの間隔をおく

標準的な接種回数・・・初回免疫として、2ヵ月以上7ヵ月未満の者に対して、4週間から8週間(医師が
           必要と認めた場合は3週間)の間隔で3回接種する。追加免疫として、3回目の
           接種後7ヵ月以上、標準的には13ヵ月までの間隔をおいて1回接種する

接種開始時期により接種回数は変更される
(1)初回接種開始時に生後2ヵ月から生後7ヵ月に至るまでの間にある者
 @2ヵ月以上7ヵ月未満 (初回3回+追加1回:計4回)
(2)初回接種開始時に生後7ヵ月から生後12ヵ月に至るまでの間にある者
 A7ヵ月以上12ヵ月未満(初回2回+追加1回:計3回)
(3)初回接種開始時に生後12ヵ月から生後60ヶ月に至るまでの間にある者
 B1歳以上5歳未満(1回)


副反応・・・他のワクチンと同様に副反応がありますが、通常は一時的なもので数日で消失します。最も多くみられるのは接種部位の発赤や腫脹です。また発熱もおこります。重い副反応としては次のようなこと。ショック・アナフィラキシー様症状(蕁麻疹・呼吸困難)、けいれん(熱誠けいれん含む)、血小板減少性紫斑病が報告されています。




小児用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌は、乳幼児の鼻やのどにいる常在菌で、せきやくしゃみなどの飛沫観戦により広がる小児の細菌感染症の原因菌です。感染後全てが発症するわけではなく、抵抗力の低下などの際に発症に至ります。
日本の小児において肺炎球菌が原因となる主疾患は、菌血症、細菌性髄膜炎という報告があります。2歳未満の乳幼児で特にリスクが高く、時に致命的であり、救命しても後遺症を残す可能性があるため、接種が可能になる2か月齢以上の乳児では積極的にワクチンによる予防をすることが重要になります。このワクチンの接種によって、肺炎球菌による重い感染症(細菌性髄膜炎、菌血症など)を予防することが期待されます。

対象者・・・生後2ヵ月から60ヵ月に至るまでの間にある者(60ヵ月になる日の前日まで) 

標準的な接種期間・・・初回接種開始は生後2ヵ月から7ヵ月に至るまで
           追加接種は初回接種終了後60日以上の間隔をおいた後であって、生後12ヵ月
           に至った日以降に1回

標準的な接種回数・・・初回免疫として、2ヵ月以上7ヵ月未満の者に対して、4週間の間隔をおいて3回
           接種する追加免疫として、初回接種終了後60日以上の間隔をおいた後であって、
           生後12ヵ月に至った日以降に1回接種する

接種開始時期により接種回数は変更される
(1)初回接種開始時に生後2ヵ月から生後7ヵ月に至るまでの間にある者
 @2ヵ月以上7ヵ月未満 (初回3回+追加1回:計4回)
(2)初回接種開始時に生後7ヵ月から生後12ヵ月に至るまでの間にある者
 A7ヵ月以上12ヵ月未満(初回2回+追加1回:計3回)
(3)初回接種開始時に生後12ヵ月から生後24ヶ月に至るまでの間にある者
 B1歳以上2歳未満(60日以上の間隔をおいて2回)
(4)初回接種開始時に生後24ヵ月から生後24ヶ月に至るまでの間にある者
 C2歳以上5歳未満(1回)


副反応・・・注射部位の症状(赤み、硬結、腫れ、痛みなど)、発熱(37.5℃以上)などです。ただし非常にまれですが、海外で次のような副反応が報告されています。ショック、アナフィラキシー様反応(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと) けいれん




四種混合ワクチン

四種混合とは、ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオのことをいいます。
≪ジフテリア≫ ジフテリア菌の空気感染により、高熱・のどの痛み・咳・嘔吐などの症状が出ます。ときには、菌の
毒素により、心筋障害や神経麻痺を起こすこともあります。
≪百日咳≫  百日咳菌の空気感により風邪のような症状で始まりますが、そのうち咳がひどくなり、連続的に咳き込むようになります。高熱が出ることは少なく、呼吸困難・けいれんを起こし、肺炎・脳症などの重い合併症により、乳児では命を落とすこともあります。
≪破傷風≫  破傷風は土の中にいる菌が、傷口から体の中に入ることでかかる病気です。日本中どこの土の中にでも破傷風菌は存在し、患者の半数は軽い傷が原因となります。けいれんや、口が開かないといった症状が出ます。また、命にかかわることもあります。
≪ポリオ≫  ポリオは乳幼児がかかることの多い病気で、ポリオウイルスに感染すると手や足に麻痺があらわれることがあります。ポリオに感染したヒトの便中に排泄されたウイルスが、口から入りヒトからヒトへ感染します。また、感染しても麻痺などの症状が出ない場合も多く、症状がなくても、感染した人の便にはポリオウイルスが排泄され、感染のもととなる可能性があります。

対象者・・・生後3ヵ月から90ヵ月に至るまでの間にある者(90ヵ月になる日の前日まで) 

標準的な接種期間・・・初回接種開始は生後3ヵ月から12ヵ月に達するまで
           追加接種は初回接種(3回)終了後、6ヵ月以上(標準は12ヵ月以上18ヵ月
           未満の間)

標準的な接種回数・・・初回免疫として、3ヵ月以上の者に対して、20日以上、標準的には56日までの
           間隔をおいて3回接種する
           追加免疫として、初回接種(3回)終了後、6ヵ月以上間隔をおいて1回接種する


副反応・・・注射部位が赤く腫れたり、しこりができることがあります。特に敏感なお子さんは、上腕全体が腫れることもありますが、湿布などで軽減します。通常高熱は出ませんが、発熱や機嫌が悪くなったり、下痢等も見られます。また重い副反応としては次のようなこと。ショック・アナフィラキシー、、血小板減少性紫斑病、脳症等が報告されています。




BCG

結核菌の感染で起こります。日本の結核患者はかなり減少しましたが、まだ3万人近い患者が毎年発生しているため、大人から子どもへ感染することも少なくありません。また、結核に対する抵抗力(免疫)は、お母さんからもらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。乳幼児は結核に対する抵抗力(免疫)が弱いので、全身性の結核症にかかったり、結核性髄膜炎になることもあり、重い後遺症を残す可能性があります。

対象者・・・生後1歳に至るまで 

標準的な接種期間・・・生後5ヵ月に達したときから生後8ヵ月に達するまで
           
接種回数・・・1回接種


副反応・・・接種後10日〜4週間の間に、接種部に発赤、硬結、腫脹、痂皮形成等の局所変化が現れ、特に反応が強い場合は膿疱を作ることもあるが、痂皮を形成して1〜3ヵ月消褪する。標準的な接種が実施された場合、針痕は少なくとも12〜15個以上残っていることが目安になる。この局所の反応は通常お3ヵ月程度で瘢痕化したものが湿潤し潰瘍化することもある。稀ではあるが、重大な副反応として、ショック・アナフィラキシー様症状、全身播種性BCG感染症、骨炎・骨膜炎、皮膚結核様病変があげられる。




MRワクチン(麻しん・風しん)

MRワクチンとは麻しん(はしか)と風しんのワクチンを混合したものです。
            免疫を獲得するために2回接種が必要です。
≪麻しん≫ 麻しんウイルスの空気感染で起こります。発熱・咳・鼻汁・めやに・発しんを主症状とします。また免疫機能が低下し、他の病気に感染しやすくなるので、合併症として肺炎、中耳炎をおこすこともあります。まれに脳炎を合併することもあります。
≪風しん≫ 風しんウイルスの飛沫感染(風しんにかかっている人の咳・くしゃみ等を吸うことで起こります)です。軽い風邪症状にはじまり、発しん・発熱・後頚部リンパ節腫脹などが主症状です。合併症として、関節痛・血小板減少性紫斑病・脳炎などが報告されており、妊娠中にかかると胎児に影響が生じる可能性が高くなります。

対象者・・・1期:生後12ヵ月から24ヵ月に至るまでの間にある者
      2期:小学校就学前の1年間(5歳以上7歳未満)の間にある者 

標準的な接種期間・・・1期:生後12ヵ月から24ヵ月に至るまでの間にある者(24ヵ月になる日の
              前日まで)
           2期:5歳以上7歳未満の者であって、小学校入学前1年間の間にある者

           * 別府市に住民票がある場合には、行政措置があります

標準的な接種回数・・・1期 1回
           2期 1回


副反応・・・副反応の主なものは、発熱と発しんです。これらの症状は接種後4〜14日に多くでます。なお、接種直後から数日中に過敏症状と考えられる発熱・発しん・痒みなどが出ることがありますが、これらの症状は1〜3日で治ります。その他、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどが生じる可能性がまれにあります。




水痘ワクチン

水痘は「みずぼうそう」ともいわれ、水痘ー帯状疱疹ウイルスの初感染によって引き起こされる感染症です。感染力の強い病気で5歳までに約80%の子どもがかかると言われています。健康な小児の場合は、一般に軽症で済みますが、中には重症化して入院が必要となったり、死亡することもあります。
水痘の主な症状は発疹、発熱です。ワクチン接種後に水痘にかかった場合、水痘を発症しても軽症となる場合が多く、発疹数が少ない、水泡を形成しにくい、かゆみが軽い、発熱を伴わない、短期間で治癒するなどの効果があります。

対象者・・・生後12ヵ月から36ヵ月に至るまでの間にある者(生後36ヵ月になる日の前日まで) 

標準的な接種年齢・・・初回接種:生後12ヵ月から生後15ヵ月に至るまでに1回
           追加接種:初回接種終了後6ヵ月から12ヵ月に至るまでの間隔をおいて1回

副反応・・・軽微な発熱・発疹及び局所の発赤、腫脹、硬結が見られる。その他、稀に接種直後から翌日にかけて、過敏反応(発疹、じんましん、紅斑、掻痒、発熱等)が現れることがある。重大な副反応としては、稀にアナフィラキシー、急性血小板減少性紫斑病がある。またワクチン接種後に帯状疱疹が生じることがあるが、その発生率は自然水痘に感染した非接種患者に比べて同等ないしは低率とされている。




おたふくかぜワクチン

おたふくかぜは「流行性耳下腺炎あるいはムンプス」ともいわれ、ムンプスウイルスによる全身性感染症です。
2〜3週間の潜伏期の後、耳下腺・顎下腺・舌下腺などの唾液腺の腫脹と圧痛を主症状として急激に発症します。ウイルスが全身の各臓器や組織を侵して神経系組織や内分泌系の腺組織に炎症が及びやすいのが特徴です。
合併症としては、精巣炎、卵巣炎、膵炎、腎炎、髄膜炎、髄膜脳炎および感音性難聴などがあります。

別府市助成対象者・・・生後12ヵ月から5歳未満

日本小児科学会推奨年齢   標準的な接種年齢・・・初回接種:1歳
                         追加接種:小学校入学前1年間

              *別府市に住民票がある5歳未満の子どもに対して、1度だけ
               3,000円の助成があります。


副反応・・・重大な副反応として、アナフィラキシーの報告が稀にあります。その他、急性血小板減少性紫斑病、難聴精巣炎、無菌性髄膜炎の報告があります。
発熱、耳下腺腫脹等を認めることがありますが、接種年齢が高いほど頻度が高いと言われています。通常軽微であり、一過性に軽快します。接種局所の発赤、腫脹を認めることがありますが、これも一過性であり、数日で軽快します。接種2〜3週間後に発熱、頭痛、嘔吐等が見られた時はワクチンによる髄膜炎発症の可能性があります。




不活化ポリオワクチン

日本では、1960(昭和35)年にポリオ患者の数が5千人を超え、かってない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により流行はおさまり、現在では国内の自然感染は報告されていません。しかし現在でも南西アジア、アフリカなどではポリオの流行があり、これらの地域で日本人がポリオに感染したり、日本にポリオウイルスが入ってくる可能性があります。予防接種は受けない人が増え、免疫を持つ人の割合が減ると、持ち込まれたポリオウイルスは免疫のない人から人へと感染し、ポリオの流行が起こる可能性が高まります。
ポリオは乳幼児がかかることの多い病気で、ポリオウイルスに感染すると手や足に麻痺があらわれることがあります。ポリオに感染したヒトの便中に排泄されたウイルスが、口から入りヒトからヒトへ感染します。また、感染しても麻痺などの症状が出ない場合も多く、症状がなくても、感染した人の便にはポリオウイルスが排泄され、感染のもととなる可能性があります。

対象者・・・生後3ヵ月から90ヵ月に至るまでの間にある者(90ヵ月になる日の前日まで) 

標準的な接種期間・・・初回接種:生後3ヵ月以上12ヵ月未満
           追加接種:初回完了後12ヵ月以上18ヵ月未満(最低6ヵ月以上)の
           間隔をおいて接種

標準的な接種回数・・・初回免疫として、3ヵ月以上の者に対して、20日以上の間隔をおいて3回接種
           追加免疫として、初回接種(3回)終了後、6ヵ月以上間隔をおいて1回接種する

接種上の注意点
(1)ポリオ(生)2回接種の方・・・不活化ポリオの接種は不要です
(2)ポリオ(生)1回接種の方・・・不活化ポリオワクチンを3回接種(初回2回+追加1回)
(3)ポリオ(生)未接種の方・・・・不活化ポリオワクチンを4回接種(初回3回+追加1回)
(4)不活化ポリオワクチンを1〜3回接種の方
   不活化ポリオワクチンの接種が合計4回となるように残りの回数を受けるようになります
   ◎必要なトータルの接種回数を完了すること
   ◎初回免疫後に、一定期間の間隔をおいて追加免疫を行うこと


副反応・・・注射部位が赤く腫れたり、しこりができることがあります。特に敏感なお子さんは、上腕全体が腫れることもありますが、湿布などで軽減します。通常高熱は出ませんが、重い副反応はなくても、機嫌が悪くなったり、腫れが目立つ時などは医師に相談してください。




日本脳炎ワクチン

日本脳炎ウイルスの感染で起こります。ヒトから直接ではなくブタなどの体内で増えたウイルスが蚊によって媒介され感染します。潜伏期7〜10日の潜伏期間後、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示す急性脳炎になります。ヒトからヒトへの感染はありません。

対象者・・・第1期:生後6ヵ月から90ヵ月に至るまでの間にある者(7歳6ヵ月になる日の前日まで)
      第2期:9歳以上13歳未満(13歳の誕生日の前日まで)

標準的な接種年齢・・・第1期 初回接種:3歳に達した時から4歳に達するまでの期間
               追加接種:4歳に達した時から5歳に達するまでの期間
           第2期 9歳に達した時から10歳に達するまでの期間

標準的な接種回数・・・第1期初回接種:6日以上の間隔(標準的には6〜28日までの間隔)をおいて2回
              追加接種:初回接種終了後6ヵ月以上(標準的には概ね1年)をあけて1回

           第2期    :9歳以上13歳未満(13歳の誕生日の前日まで)

平成30年度特例対象者
(1)平成10年4月2日から平成19年4月1日に生まれた者
 @4回の接種が完了していない場合(接種を全く受けていない者を除く)
  残りの予防接種は、6日以上の間隔をおいて接種する
 A接種を全く受けていない場合
  母子手帳を持参のうえ、診察時に院長にお尋ねください
 *不足分を20歳になる前まで無料で接種可能です

(2)平成19年4月2日から平成21年10月1日に生まれた者で、
   平成22年3月31日までに日本脳炎の第1期の予防接種が終了していない者で、
   生後6ヵ月以上90ヵ月未満又は9歳以上13歳未満にある者
 @第1期を1〜2回接種している場合
  第1期の不足分を6日以上の間隔をおいて接種する。なお、最後の接種から今回の接種間隔については
  6日以上の間隔をおく。
 A第1期を全く接種していない場合
  6日以上(標準的には6日以上28日未満)の間隔をおいて2回、追加接種については2回接種後6ヵ月
  以上(標準的には概ね1年)を経過した時期に1回接種する。
 *90ヵ月(7歳6ヵ月)から9歳になる前までの間は定期接種外。
  9歳以上になり、1期不足分を接種した後、次に2期を受ける場合の接種期間は@、Aとも、6日以上と
  する


副反応・・・局所の副反応として、紅斑、内出血、疼痛、腫脹、掻痒感など、全身の反応として、発熱、発疹、じんましん、紅斑、頭痛、咳嗽、鼻漏などがあり、これらの副反応のほとんどは接種後3日後までにみられました。




二種混合ワクチン

二種混合とは、ジフテリア・破傷風を混合したものです
≪ジフテリア≫ ジフテリア菌の空気感染により、高熱・のどの痛み・咳・嘔吐などの症状が出ます。ときには、菌の
毒素により、心筋障害や神経麻痺を起こすこともあります。
≪破傷風≫  破傷風は土の中にいる菌が、傷口から体の中に入ることでかかる病気です。日本中どこの土の中にでも破傷風菌は存在し、患者の半数は軽い傷が原因となります。けいれんや、口が開かないといった症状が出ます。また、命にかかわることもあります。

対象者・・・11歳以上13歳未満(13歳になる日の前日まで) 

標準的な接種年齢・・・11歳

           DPT(三種混合)又はDT(二種混合)の1期完了者に1回接種


副反応・・・接種後7日までに発赤・腫脹・硬結の局所反応がみられる。局所反応は数日で自然に治まるが、硬結は縮小しながらも数ヶ月持続することがある。




子宮頸がんワクチン

子宮頸がんは、子宮頚部(子宮の入り口)に出来るがんで、20代〜30代で急増し、日本では年間約15,000人の女性が発症し約3,600人が死亡しています。子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほどんどなくがんが進行すると、不正出血や性交時の出血などがみられます。
子宮頸がんは、そのほとんどが発がん性HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因で引き起こされる病気です。発がん性HPVは特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性が一生のうちに1度は感染するありふれたウイルスです。
発がん性HPVに感染する可能性が低い10代前半に子宮頸がんワクチンを接種することで、子宮頸がんの発症をより効果的に予防できます。ワクチンを接種した後も、全ての発がん性HPVによる病変が防げるわけではないので、早期発見するために子宮頸がん検診の受診が必要です。10代でワクチンを接種しても、20歳を過ぎたら定期的な子宮頸がん検診を受けましょう。

対象者・・・小6〜高1相当の女子(標準的な接種は中1)

接種回数・・・3回

ワクチンの種類・接種間隔
  現在、日本で接種できる子宮頸がんの予防ワクチンは2種類あります。
  1つは、HPVの16型と18型に対して感染予防効果をもつものです。もう1つは、HPVの16型
  と18型に加えて尖圭コンジローマの原因となる6型、11型と4つの型に対して感染予防効果を持つ
  ものです。ワクチンはそれぞれが予防できる型以外のHPVには予防効果を期待できません。接種する
  子宮頸がん予防ワクチンの種類については、医師に相談ください。

  サーバリックス(2価)
    初回接種
    2回目:初回接種から1ヵ月の間隔をおいて行う
    3回目:初回接種から6ヵ月の間隔をおいて行う
    ただし、当該方法をとることができない場合は1ヵ月以上の間隔をおいて2回接種した後、1回目
    の注射から5ヵ月以上、かつ2回目の注射から2ヵ月半以上の間隔をおいて1回

  ガーダシル(4価)
    初回接種
    2回目:初回接種から2ヵ月の間隔をおいて行う
    3回目:初回接種から6ヵ月の間隔をおいて行う
    ただし、当該方法をとることができない場合は1ヵ月以上の間隔をおいて2回接種した後、初回2回
    目の注射から3ヵ月以上の間隔をおいて1回


副反応については、接種との因果関係を問わず報告を集め、定期的に専門家が分析・評価しています。現在、因果関係は不明ながら、持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されており、その発生頻度について調査中です。また、比較的軽度の副反応は、一定の頻度で起こっています。




ロタウイルス

ロタウイルス胃腸炎について
ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多く起こるウイルス性の胃腸炎です。ロタウイルス胃腸炎の原因「ロタウイルス」は全世界に広く分布し、衛生状態に関係なく世界各地で感染がみられます。ロタウイルス胃腸炎の多くは突然の嘔吐に続き、白っぽい下痢を起こします。発熱を伴うこともあり、回復には1週間ほどかかります。また、ほとんどの場合は特に治療を行わなくても回復しますが、特に脱水、腎不全、脳炎・脳症などを合併することもあり、症状が重く脱水が強い場合には入院が必要となることもあります。
日本でのロタウイルス胃腸炎の発症は冬〜春に多く、主に生後3〜24ヵ月の乳幼児に起こりますが、ピークは生後7〜15ヵ月です。生後3ヵ月までは、母親からもらった免疫によって感染しても症状が出ないか、症状があっても軽く済みますが、生後3ヵ月以降に初めて感染すると重症化しやすくなります。実際に、ロタウイルス胃腸炎は、小児急性重症胃腸炎の原因の第一位で、受診した人の10人に1人が入院する、という報告もあります。

  ロタリックス
   ロタリックス内用液は、甘いシロップ状の経口ワクチン製剤です。
   生後6週から24週までの間に2回接種します。
   (なお、初回接種は14週6日までに行うことが推奨されます)
   2回目の接種は1回目の接種から27日(4週間)以上あけてください。


副反応については接種後に腸重積症、血便排泄、ぐずり、下痢、咳・鼻みずながみられました。